鳴門鯛 大麻 霧のしずく

開発経緯、受賞歴

かつて、本家松浦酒造場には、水と米だけから生まれた日本一辛口の清酒がありました。

世界初の「霧造り製法」を独自開発し、25度という高アルコールでありながら、
香りがよく立っていると、日本酒愛好家の間で評判となりました。
平成12年~18年のことです。

しかし、ある理由により、この酒は蔵に眠るという運命をたどります。
本ページでは、「霧造り製法」の酒が生まれた開発と販売の経緯をご紹介します。


 
霧で旨い日本酒を作る

「霧造り製法」とは、純米清酒を生のまま低い温度で霧状にし、
この霧をマイナス20度という極低温で滴としたものを凍る寸前で集める方法です。

霧にすることにより、水より軽いアルコールや香気成分などの旨みだけを集め、
水より重いタンパク質や脂質などの雑味は取り除くことができるのでは?
という発想から、繰り返し研究や実験を重ねました。
通常の酒作りの場合、雑味を含む米の外周を精米で削り取りますが、
さらに霧化により雑味を取り除き、全く新しい日本酒を造れるかもしれないと考えたのです。

数年に及ぶ試行錯誤の結果、「霧造り製法」による清酒の販売を開始したのが平成12年。
「純米なのにアルコール度数25度、しかも生酒」という世界で初めての清酒として、
日本酒愛好家の間で評判となりました。

アルコールなどは一切添加せず、純米酒を霧化し、その霧を集めて液状にするという
独自の製法は注目を集めたのです。

 


 

霧化技術は蒸留か否か?

「霧造り製法」による清酒の販売が開始されてから、
同製法が蒸留に相当するのではないかという論争が官民学間で巻き起こります。

議論の焦点は「霧造り製法が蒸留に当たるか否か」というものでした。
蒸留法では清酒を蒸留したものは焼酎に分類されるため、
清酒として販売された「霧造り生」は法令違反となるのではないかというのです。

本家松浦酒造場では各方面の技術者にも意見を仰ぎつつ、
霧化は蒸留ではないと主張しました。※1

一方、他メーカーからは醸造アルコールを添加することで
アルコールを25度まで高めた清酒が複数発売されました。

これを問題視した国税庁は平成18年度の酒税法改正で、
22度を超える清酒は一律に雑酒として取り扱うことを義務づけました。

これにより「霧造り製法」の酒は、雑種として扱わなければ販売できなくなったのです。
本家松浦酒造場では、霧造り製法を中止しすべて蔵に封印しました。

※1:その後の学術的調査によれば霧造り製法は蒸留ではなく、霧状のまま分子レ
ベルの分離が進行しており、新規な液体の分離方法であることが判明しています。

 


 

蔵で眠り続けた7年間

平成24年夏、蔵に眠っていた霧造りの酒を1本持ち出してみました。
思い切ってその香りをかいでみたところ、なんとも芳醇な香りがするのです。

「霧造り製法」で作られた旨味の高い酒が、さらに熟成され、
まろみと深みのあるお酒に生まれ変わっていました。

生のまま貯蔵していたので、その中に酵素が生きており、
温度15度~20度の蔵で眠り続けている間、
酵素がひっそりと活動し酒をまろやかにしていったのです。

かつて霧造りの酒を「雑酒」として世に出すことに強い抵抗を感じ、
販売を終了しましたが、実は、霧造りの酒の販売を継続する方法はありました。

特例措置として、酒税法改正前に製造されているものについてのみ
雑酒表示にて販売を認められていたのです。
この特例に従えば、霧造りの酒を販売することはできます。

こうして、本家松浦酒造場にとっては、二度とつくれない霧造りの酒を、
再び世に送り出すことになりました。


 
受賞履歴<霧造り製法技術関連>
 
2003年12月  2003年度 食品産業技術功労賞<技術・アイデア部門>
純米 霧造り生
(主催:食品産業新聞社)
2009年3月  2008四国産業技術大賞 優秀技術賞/最優秀賞
(主催:独立行政法人 産業技術総合研究所四国センター)
2009年7月  第三回「ものづくり日本大賞」 四国経済産業局長賞
(主催:経済産業省)
2012年10月  TOMODACHI東北チャレンジ グランプリ
(主催:米日協会・US-Japan Council)
2012年10月  第15回徳島ニュービジネス支援賞2012 大賞
(主催:社団法人徳島ニュービジネス協議会)

 

 

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