あなたは日本酒を燗して飲んでいますか。
燗酒器を持っている?レンジでチンしている?燗をしたことがない?
ズバリ、日本酒は「湯せん」で燗をするのが一番おいしいんですよ。
この記事では、その理由や体験レポをご紹介しますね!
こんにちは!日本酒「鳴門鯛」の酒蔵で働く新人スタッフ しゅムリエです。
寒いシーズンには、お鍋を囲みながら日本酒を熱燗やぬる燗で飲んでみたいもの。
でも「燗酒」には専用の道具が必要だから面倒・・・というイメージがあります。
今回は「鳴門鯛」の十代目蔵元 松浦素子さんに、おいしい燗酒のつけ方を聞いてみたので、お燗の方法に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてくださいね!それではまいりましょう!
じつは私たちの蔵の日本酒が全国熱燗コンテストで金賞を受賞したんです!
コンテストのお墨付き、しかも、お値段もお手頃。
熱燗で飲むとほんっとにおいしいから、ぜひ一回試してみて!
「鳴門鯛 純米 巴(ともえ)」は、飲み飽きのないまろやかな味わいの純米酒。「扁平精米」と呼ばれる技術の高い精米方法。和食と良く合うテイストで、冷~燗までお好みに合わせてお楽しみいただけます。
「燗」するなら、湯せんが一番
たまには日本酒を燗で飲んでみたいなーと思うようになりました。
でも、私の家には専用の道具がありません。
実家のおじいちゃんは取っ手のついた金属の入れ物を使っていました。
「チロリ」とか「酒タンポ」と呼ばれる容器のことですね。
あれば便利なのですが、専用の容器がなくても大丈夫ですよ。
私の部屋には、やかんもありません・・・。
では、道具がなくても、お燗が簡単にできる方法をご紹介しますね。
お燗をするには、お鍋と大きめの器の2つがあれば大丈夫。
日本酒をそのまま温めるのではなく、お湯に浸けてじんわりと温めるのが、香りを逃さずに燗するコツなんです。
もちろん、お銚子や徳利、片口などの酒器があれば風情がありますが、もしそれを持っていないという場合は、背の高いマグカップでもいいんです!
要するにお湯に付けることができればいいんです。
なるほど。背の高いマグカップなら、私の部屋にもあります。
まずは、お燗の方法をご紹介しますね。
今日はお銚子をつかってみましょう。
お燗の方法<湯せん編>
- お銚子・徳利・片口、背の高いマグカップなどに日本酒を注ぎます。
ラップで蓋をすると香りが逃げません - お鍋で湯を沸騰させます。火を止めてから湯の中にお酒をひたします。
- 2〜3分程度で、ほどよい「ゆる燗」になります。
- 「熱燗」にしたいときは、もう少し長く湯につけます。
なるほど。意外と簡単なんですね。
ポイントは、火を消してから湯せんすること。
沸かしてはダメですよ。
お湯をグラグラ沸かしてしまうと香りが飛んでしまいます。
火を止めてからそっとお湯に浸してくださいね。
わかりました!
火を止めてから、鍋にポチャンですね。
専用の道具がなくても、マグカップや湯呑などを使って、実験感覚で試してみてください。
湯せんのときのお湯の温度は、80度くらいがいいですよ。
グラグラと煮立てたお湯だとアルコールが飛んでしまうので、80度と覚えてくださいね。
浸す時間を長くすると「熱燗」、短くすると「ぬる燗」になります。同じ日本酒でも、温度の違いを意識しながら飲み比べてみると楽しいですよ。
実験感覚で試してみたら楽しそうですね。
今度、友達が来たときに一緒にやってみたいと思います。
そのとき、この表を参考にするといいですよ。
日本酒の温度帯によってこんな呼び名が付いているんです。
例えば、熱燗は50度くらい、ぬる燗は40度くらいと言われています。
他にも、35度は人肌燗、45度は上燗と呼んだりします。
せっかくですから、いろいろな温度で試してみてくださいね。
ありがとうございます!
この表を見ながら試してみると本当おもしろそうです。
電子レンジで「燗」できる?
実は、わたし、一度にたくさんのお酒は飲めません。
夕食のときに飲むときは、小さな器に1杯くらいです。例えば50mlくらい。
お酒が少ないのに、お湯を沸かすのは面倒だなぁ・・・
電子レンジで燗をするのはどうなんですか?
うーん。
電子レンジは香りが飛んでしまったり、味わいが変わってしまうんですよね。
そういえば、ナルトタイの店 店長の若林さんが、いいアイデアがあるって言ってたから、聞いてみたら?
わかりました。直売所に行って、店長に聞いてみます!
店長、電子レンジでお燗をしてみたいのですが、なにかいい方法はありますか?
そうですね。
湯せんが一番なんですけど、お湯を沸かすのは面倒だという人は多いですね。
僕のアイデアは、電子レンジで温めたあと、瓶のお酒をちょっと足す方法です。
え?足すのですか?!
そうなんです。こんな風にやるんです。
お燗の方法<電子レンジ編>
- 容器に日本酒を入れます。お銚子でも、マグカップやスープカップでもOK。
- ラップなどで蓋をするのがおすすめ。
- 電子レンジで数十秒温めます。
- 少し熱めに温めたら、瓶の酒を少し足します。
電子レンジで温めると、どうしても風味は飛んでしまうんですよね。
だから、もとの瓶にあったお酒を足して、風味を戻すというイメージです。
なるほど!!もとの香りをちょっとプラスするんですね。
昔、知人がやっていた居酒屋では、湯せんで熱燗にしたものに、瓶のお酒を少し加えてから出すという、手の混んだこだわりをやっていましたよ。
まさにそれ。風味を戻すんです。湯せんでも多少風味が飛びますから、そこまでこだわる人もいるという例です。
とことんこだわる人もいるんですね。「レンチン+瓶のお酒を足す」というアイデアはいいですね。
ただし電子レンジのオート機能はだめですよ。
温めすぎてしまうので。 してください。
さっそく家で、燗酒を飲んでみたいと思います。
燗に合うお酒はどれですか?
そうですね。燗酒といえばこれ、「鳴門鯛 吟醸 飛切」です。
すっとした余韻のお酒なので、ゆる燗でも、熱燗でもおいしいですよ。
全国燗酒コンテスト2021・2020 お値打ち熱燗部門で金賞を受賞した日本酒だからおすすめですよ。
ありがとうございます!
では今夜、「鳴門鯛 吟醸 飛切」で、燗酒の飲み比べに挑戦してみますね。
上品な味わいの吟醸酒です。しっかりとした酸味があり、香りは穏やかでコクがあります。くどさは全く感じられない味わいです。余韻は、静かで『すっ』と引きます。
「湯せん」と「レンチン」の燗酒を飲み比べ
それでは店長おすすめの「鳴門鯛 吟醸 飛切」で燗酒の飲み比べをしてみます。
せっかくなので、湯せんと電子レンジの両方をやってみますね。
蔵元が教えてくれた湯せんの方法、電子レンジだけ、店長が教えてくれた「レンチン+瓶のお酒を足す」、3種類を比較してみたいと思います。
実験①「湯せん」
- 鍋にお湯を沸かしました。
- お湯の火を止めて机の上へ。
- お銚子に日本酒を100mlくらい入れ、お湯に3分ほど浸しました。
実験②「レンチンのみ」
- 日本酒を湯呑に100mlほど注ぎ、ふんわりとラップをかけます。
- 電子レンジ600Wで40〜50秒くらいあたためます。器の横をさわると少し熱めです。
実験③「レンチン+瓶のお酒を足す」
- 日本酒を湯呑に50mlほど注ぎ、ふんわりとラップをかけます。
- 電子レンジ600Wで30秒くらい温めます。
- 最後に、瓶の日本酒を50mlくらい足します。
3つの方法で燗をしたお酒を飲み比べます!
まずは、実験②:「レンチンのみ」を飲みます。
レンチンすることで、キーンとした味が発生したみたい。きつい感じがします。
私は、この味は苦手だなと思いました。
次は実験③:「レンチン+瓶のお酒を足す」
瓶のお酒を足しましたが、レンチンしたときのキーンとした感じは残っています。
少し香りはよくなった気はしますが、私は苦手な味でした。
最後は実験①:「湯せん」を飲みます。
あ!おいしい。ふわっとした感じです。これは本当においしいです。
キーンとしたものは一切ありません。
燗酒のおいしさって、こういうことなのだな!と感心しました。
同じお酒でも、燗の方法によって、こんなにも違うのですね!
やはり、蔵元が言ったとおり、日本酒は「湯せん」で燗をするのが一番おいしいです!
体感してみると、そのとおりでした!あくまでも私個人の感想ですが♪
レンジでおいしく燗する方法、発見!
それにしても、お鍋で湯を沸かすのが面倒なのですよね・・・。
そこで私は思いつきました!。
電子レンジでお湯を温めればいいのでは?!
実験④「お湯だけレンチン+湯せん」
ほどよく温まったところで、飲んでみます。
おいしい!これなら大満足です!
スープカップには取っ手が付いているので、電子レンジから出すときも熱くありません。
スープカップのお湯に5分など長めに浸せば「熱燗」。
2〜3分と早めにお湯から出せば「ぬる燗」という感じでしょうか。
もし2杯目を飲むなら、スープカップだけレンジで温め直せば大丈夫。
これなら、気軽にレンチンで湯せんができます。
蔵元!わたし発見しました。
お燗をするとき、お湯を電子レンジで温めたらいいと思うんです!
お湯をレンチンしたら、少しのお酒もさっとお燗できたんです。
それはいい考えですね!
お湯をレンチンするのね。私も今夜やってみるね!
日本酒を燗するのは、実はカラダにもいいと言われているんですよ。
お燗はカラダにもいい!お燗のメリット3つ
1つめは、日本酒を温めるとお燗ならではの香りや味わいを感じられること。
せっかくだから、お燗したときの味わいも楽しんでいただきたいです。
2つめは、カラダが温まること。
寒い時期には手足が冷えていたりしますよね。
燗した日本酒をいただくことで、冷えが改善されます。
3つめは、飲み過ぎを防ぐこと。
アルコールは体温に近い温度で効率よく吸収されます。冷酒だと、酔いを感じるのに時間がかかるのだけど、燗酒は酔いを感じるのが早いんです。
だから、燗酒の方が、飲み過ぎを防ぐことができる!と言えるんですよ。
それと、燗するお酒を選ぶ時は、酸味のきいた味わいタイプの日本酒がいいですよ。
瓶の背ラベルにのっている温度帯表の燗に◎か○が付いているものがおすすめです。
日本酒を燗する方法。皆さま、いかがでしたか?
皆さまもいろいろな温度帯で、日本酒を楽しんでみてくださいね。
燗酒を試してみることで、あなたの日本酒ワールドがさらに広がるかもしれません。
「フラスコでお燗」やってみました!
酒好きのスタッフが、なんとフラスコでお燗をしているそうですよ。
なんだかおもしろそうなので、わたしもやってみました。
わたしが手に入れたのはHARIOの平底フラスコ。小学校の頃を思い出します。
HARIOの平底フラスコをお燗に使ってみました。
フラスコは耐熱ガラスでできているので、お酒を入れて熱いお湯にドボンと入れても安心。
これは200mlサイズなので、そこそこ量が入ります。
昔、理科室の実験で使っていたフラスコで、お燗をする時代が来るとは・・・まったく想像もしていませんでした。
なかなかおいしい燗酒ができましたよ。
口部は耐久性のある、肉厚リム加工が施されています。 計量や攪拌、培養に幅広くお使いいただけます。
全国燗酒コンテスト受賞酒など、「熱燗・ぬる燗」に合うお酒をご紹介します。温めることで一層香りが引き立ち、ほのかで、おだやかな香りが広がります。
燗酒の方法、まとめ
- 燗酒は湯せんが一番おいしい!
- 火を消してからお湯に浸けて湯せん。沸かしてはダメ。
- スープカップでお湯をレンチンして、その中で湯せんするのも便利
- 日本酒をいろんな温度で飲み比べて自分の好みを知ると楽しい!
この記事の監修
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十代目蔵元 松浦素子
本家松浦酒造場 -
2009年実家である本家松浦酒造場に入社。
それまではウィスキー、ジン派で日本酒はどちらかというと苦手だったが、40代で酒蔵への転職を決めてからは、きき酒師試験を受けるため、東京などで日本酒の飲み比べにはまる。
20代の頃飲んだ日本酒とはまったく違う日本酒になっていることに感激。
酒蔵に入ってからは、日本酒と料理のマリアージュが食事の味わいを深めることをさらに実感する日々である。
自らの体験を元に十代目蔵元として日本酒の奥深さ、楽しさを広める伝道師であることをライフワークとしている。