しゅムリエちゃん(はてな1)

6月の第3日曜は父の日。今年2023年は6月18日(日)が父の日ですね。

父へは日本酒と決めているのですが、定番と言われている獺祭、八海山、久保田などはすでに贈ってしまいました。

まだ父が知らなくて、美味しいねと喜んでくれるような日本酒があったら、おすすめを教えてください。

素子さん(にこ)

なるほど。日本酒は全国津々浦々で造られているので、選択肢が本当にたくさんで、迷ってしまいますね。

私が蔵元として活動する中でお世話になっている酒蔵さんは丁寧に酒造りに取り組んでいらっしゃいます。 蔵元や杜氏の皆さんの人柄がお酒の味わいに表れているなぁと感動することも多いです。

おすすめの酒蔵さんに、父の日の贈り物におすすめの日本酒を聞いてみましょう。

しゅムリエちゃん(はあと)

はい。ぜひお願いします。 そもそもの話ですが、父の日に日本酒を贈るときのアドバイスはありますか? それも教えてください。

素子さん(指)

父の日に日本酒をプレゼントするなら、いいものを選んで贈りたいですね。 日本酒には純米大吟醸、純米吟醸、純米酒など・・・いろいろな種類があって、どれを選んだらいいのかわからないという声もよくききます。

それと、お父さんが好きなお食事に合う日本酒を選ぶのもおすすめです。魚介類に合うお酒とか、ピザなどのコッテリ系のお食事に合うお酒があるんですよ。

まずは、父の日ギフトに日本酒を選ぶコツについて、サクッとご紹介しますね。

父の日の贈り物に日本酒を選ぶときのヒント

  • とっておきのプレゼントにしたいなら「純米大吟醸」または「大吟醸」がおすすめ
  • 気軽な感じでプレゼントしたいなら「純米吟醸」「純米酒」がおすすめ
  • 季節限定などその時期限定のお酒も喜ばれます
  • 蔵直限定など一般店では手に入らない限定酒もおすすめ
  • お父さん好みのボトルデザインや、好きな地方の産地を選ぶのもおすすめ

お父さんは冷酒好き?熱燗好き?

お父さんは冷酒好き?熱燗好き? お父さんが普段、どんな温度帯で日本酒をお飲みになるか?によってもおすすめは違ってきます。

「冷酒」で飲んだり、「常温」で飲んだりする場合は、「純米大吟醸」「大吟醸」「純米吟醸」あたりがおすすめです。

「熱燗」で飲むなら、「純米吟醸」や「純米酒」あたりがよいと思います。 いろいろな温度帯で、お料理の組み合わせもあれこれ試しながら飲んでいただけると、さらに日本酒の楽しみが増すと思います。

和食派?それとも洋食派?

和食派?それとも洋食派? お父さんがいつもどんなお料理を食べているのかも、お酒選びのポイントになります。

魚介類が好きなお父さんなら、辛口(日本酒度+1.5〜+6.0など)と示されているお酒がいいかもしれません。 ピザやハンバーグの方が好きというお父さんなら、普通(日本酒度ー1.4〜+1.4)〜やや甘口(日本酒度ー3.4~ー1.5)が目安でしょうか。

個人の好みは異なりますし、日本酒度はあくまでも目安ですが、少し参考にしていただければと思います。

生酒なら、クール便で直送しよう!

ちなみに、生酒や生貯蔵酒の名前が付いているお酒は、火入れをしていないので、冷蔵が必須です。
先方へ郵便や宅配で送る場合には、クール便扱いで送りましょう。 お届けしたあとも冷蔵庫で保管してもらう必要がありますので、お父さんの家の冷蔵庫のスペースが空いているか、確認するといいかも(笑)

こちらの日本酒の保存方法で解説しているように、「純米大吟醸」または「大吟醸」は開封後は冷蔵保存がおすすめです。
一升瓶を冷蔵庫に入れるのは結構難しいので、生の場合は720ml以下の小さめの瓶を贈るのが良いでしょう。

父の日ギフト、予算はどれくらい?

父の日ギフト、予算はどれくらい?
今まで育ててくれてありがとう。これからも元気にしてね。という気持ちを伝えるための贈り物ですから予算が決まっているわけではありません。
当蔵の売れ筋を参考にしますと、だいたい3,000円〜6,000円位のギフト商品を選ぶ方が多いように思います。

でも、2,000円程度の日本酒だって、とても美味しいですよ。

また、改まった行事があったときなどは10,000円くらいのものを贈る方もいらっしゃいます。
その折々に、予算を考えて選ぶのがよいのかもしれませんね。

しゅムリエちゃん(素)

ありがとうございます。なんとなくイメージが湧いてきました。地元の日本酒だとわりと知っていますが、全国の酒蔵までは知らないのでおすすめのお酒を教えてください。

素子さん(指)

そうですよね。5つの酒蔵さんに、父の日の贈り物におすすめの日本酒を聞いてみました。蔵の紹介もしてもらいましたので参考にしてくださいね。

しゅムリエちゃん(やった)

はい。お願いします!

※おすすめの日本酒の掲載順は順不同です。

おすすめその(1)「白龍 純米大吟醸長期氷温熟成酒」

白龍 純米大吟醸長期氷温熟成酒

まず、最初にご紹介するのは、福井県の吉田酒造さんの「白龍」です。
私が吉田酒造さんを訪問したときは冬だったのですが、近くには九頭竜川が流れ、その奥には白い雪の山々。

春になったら雪解けの水がこの川を流れてくるのだと感動しました。
女性蔵元の吉田由香里さん、女性杜氏の吉田真子さんが中心となり酒造りを行っています。
真子さんは24才で日本最年少の女性杜氏として酒造りを始め、全国から注目を集めています。
小仕込みでていねいに造られるお酒の味わいは格別ですよ。

酒蔵「吉田酒造」とは?
白龍 純米大吟醸長期氷温熟成酒 吉田酒造は、文化3年(1806年)に山紫水明の地“志比(しひ)の庄”で創業しました。
以来、私たちは九頭竜川がもたらす滋味豊かな大地が育んだ山田錦と白山麓の雪解け水、そして蔵人たちの熱意を持って「白龍」を育ててまいりました。
一滴一滴に永平寺町の米・水・大地のうま味が凝縮できるよう、米づくりより自社で行い原材料から清酒になるまで一貫して「目が届く」「手が届く」「心が届く」妥協なき酒造りを追及しております

この地で”酒米の王様”といわれる山田錦の栽培をはじめて30年以上が経ち、酒米の品質向上に努めております。
私たちが造る白龍がこれからも皆さまの“明日への力水”となるよう蔵元・蔵人一丸となって今後とも妥協なき米作り・酒造り、本物の郷酒の普及に努めていきたいと考えております。

吉田酒造[蔵元 吉田 由香里さん]
マイナス5度で3年間熟成された円熟の味わい。余韻を愉しめる大人の味わいをぜひ、お父様にゆっくりと味わっていただきたいです
しゅムリエちゃん(なるほど)

福井県といえば、恐竜の化石がたくさん発見されているところですね。白龍の龍のラベルも素敵です。
他にもおすすめはありますか?

おすすめその(2)「大和川酒造 彌右衛門」

大和川酒造 彌右衛門

次は、福島県の大和川酒造さんの「彌右衛門」ですね。
こちらを訪問したときには、大地・山が見渡す限り雪化粧で、雄大であったのが印象的です。
自然のどまん中に蔵があって、おいしい酒ができないわけがない!と思いました。
自ら田んぼへ出て、酒造好適米を育てて、そのお米で酒造りをされている点もたいへん魅力的です。

酒蔵「大和川酒造」とは?
大和川酒造 彌右衛門 江戸時代中期の寛政2年(1790年)に創業。
以来、蔵のまち喜多方で二百十数年の長きに渡り、当主は代々「彌右衛門」を名乗り、連綿と酒林を掲げて酒造業を営んでおります。
大和川ファームで栽培した高品質の酒造好適米を使用し、飯豊山の伏流水で仕込んでおり 地の「米」、地の「水」、地の「技」で醸す「郷酒」を造り続けています。

大和川酒造[杜氏 佐藤哲野 さん]
当店の一番人気の辛口をセットにしました。
辛口なので食事にもよく合い、大吟醸は冷や、純米辛口はお燗にして・・・など様々な飲み方ができます。
大吟醸と純米の味の違い、温度による味の変化などを楽しんでいただけるオススメのセットです。
しゅムリエちゃん(やった)

酒蔵の皆さんが稲作もするのですね。米作りに、酒造り、みなぎるパワーを感じますね。

おすすめその(3)「白馬錦 純米大吟醸」

白馬錦 純米大吟醸

次にご紹介したいのは長野県大町市の「白馬錦」さんです。

以前、アメリカ大使館のテイスティングイベントで、「白馬錦」の薄井真弓さんに声をかけていただいて。
女性同士、お会いするたびにいろいろお話をしています。
北アルプスの山々が天然のフィルターのように雨水を濾過するので、大町市は特別おいしい地下水に恵まれているんですって。
北アルプスの天然水で醸した日本酒、おいしいはずですよね!

酒蔵「薄井商店」とは?
酒蔵「薄井商店」 「山と、水と、ともに生きる」
私たちは北アルプスの麓、標高700m余りに位置する長野県大町市に酒蔵をかまえ、信濃大町の契約栽培米と北アルプスの清冽な水、恵まれた自然環境のもとで酒造りを続けております。
故郷の米と、水と、人の真心で醸す安心安全な酒に、信濃大町の山と、水と、ともに生きる、私たちの思いを込めて、お客様の記憶に残る郷酒を造り続けています。

薄井商店[常務取締役 薄井 真弓さん]
日本酒好きのお父さんはもちろん、普段はあまり飲まないお父さんと一緒に楽しみながら、感謝を伝えてみてはいかがですか。
食事と同じようにお酒も、お父さんと同じものを飲むことでおいしさもひとしおです。
しゅムリエちゃん(はあと)

北アルプスは憧れの地です。日本は場所によって本当にいろいろな気候風土があって魅力的ですね。

おすすめその(4)「純米吟醸 廣喜 磨き五割五分」

純米吟醸 廣喜 磨き五割五分

さて今度は東北です。岩手県の酒蔵 廣田酒造店さんをご紹介します。

女性杜氏として活躍されている小野裕美さんには、大阪の試飲販売会でご一緒したときにお会いました。
こちらの酒蔵さんは、一般的な酛ではなく、生酛系酒母の一つ『酸基醴酛』で仕込んでいるそうです。
酛が異なると、とても深みのある味わいになります。 その個性的な造りに真摯取り組んでおられる女性杜氏の小野さん
お話を聞くたび、お客様にお届けするまでが酒造り!という姿勢が素晴らしい南部杜氏さんです。

酒蔵「廣田酒造店」とは?
廣田酒造店 南部杜氏発祥の里・岩手県紫波郡紫波町にある小さな酒蔵で、明治36年に創業以来、廣く多くの人に喜ばれる酒=『廣喜』を醸し続けています。
岩手の米の美味しさ・仕込み水である水分神社水のやわらかさを最大限に引き出すべく、生酛系酒母の一つ『酸基醴酛』での仕込みを行っています。

廣田酒造店[杜氏 小野 裕美さん]
優しい口当たり、すっきりとしたのど越しで、冷でも燗でもおいしく飲んでいただけます。
どのようなお食事にも合わせやすいですので、お父さんと一緒に楽しい時間を過ごしていただきたいと思い、「廣喜 磨き五割五分」をおすすめいたします。
オリジナルラベルも作れますので、いつもの感謝の言葉をラベルにして贈るのもおすすめです。
しゅムリエちゃん(キラ)

いよいよ5つ目です。今度は、どちらの地域のお酒でしょうか?

おすすめその(5)「五橋 大吟醸 西都の雫」

五橋 大吟醸 西都の雫

次は山口県 酒井酒造さんの「五橋」をご紹介します。

いつも試飲展示会でご一緒しているのですが「五橋」の人気がグングン上がっているのを目の当たりにしてきました。
試飲会場がオープンすると酒井酒造さんの前には大大行列ができるんです!

いつも新しい味わいの日本酒造りに取り組まれてされておられます。 しかも、蔵人みなさんがそんな酒造りを楽しまれている事が伝わってくるんです!
そんなチャレンジ精神が皆さんからの人気の秘密かなと思います。それを、広い心で見守る酒井社長の存在は欠かせません。

酒蔵「酒井酒造」とは?
酒蔵「酒井酒造」 明治4年(1871年)創業。
「五橋」の酒名は五連の反り橋「錦帯橋」に由来。
心と心の掛け橋にとの思いが込められています。
「山口県の地酒」であるために、地元の米・水・人にこだわった酒造りに取り組んでいます。

酒井酒造[代表取締役 酒井 秀希さん]
「五橋 大吟醸 西都の雫」は山口県オリジナルの酒造好適米「西都の雫」を用いて醸す大吟醸。
全国新酒鑑評会でも金賞を受賞するほどの高品質のお酒です。
華やかで高貴な吟醸香、繊細でなめらかな口当たり。父の日には普段よりちょっとだけいいものを贈りたい。そんな貴方にピッタリのお酒です。
しゅムリエちゃん(にこ)

どのお酒も美味しそうですね。
ところで、当蔵、本家松浦酒造場の「鳴門鯛」のお酒の中では、お父さんにはどのお酒がおすすめですか?

素子さん(指)

そうですね。当蔵のお酒の中で、父の日の贈り物におすすめなのは鳴門鯛 “無濾過”生缶&生缶 呑み比べギフトセットですね。

[鳴門鯛 “無濾過”生缶&生缶 呑み比べギフトセット]

生缶&生缶 呑み比べギフトセット

白の生缶は、ニューヨークや香港の日本食レストランや酒店ではすでに定番商品なんです。

現地の皆さんは”namacan”というニックネームで呼んでくれています。
もう一つの黒の生缶は、アルコール度数19度のパワー系です。 “無濾過”というのは、タンクから搾った吟醸酒を濾過せず、そのままアルミ缶に封じこめた状態です。
濃厚な日本酒なので、氷を入れてロックで味わうのもおすすめです。
この2本が特製ギフト箱に入っていますので、火入れをしていない生原酒独特のフレッシュさ、無濾過のパワフルな味わいを呑み比べしていただけますね。

しゅムリエちゃん(なるほど)

お父さんに贈るの、どれにしようかなぁ〜? とっても迷いますね! 最近のお父さんの好みをこっそり聞いてみようかな。。。あれこれじっくり考えてみたいと思います。 蔵元、ありがとうございました!

この記事の監修

十代目蔵元 松浦素子
本家松浦酒造場
本家松浦酒造場 十代目蔵元 松浦素子

2009年実家である本家松浦酒造場に入社。
それまではウィスキー、ジン派で日本酒はどちらかというと苦手だったが、40代で酒蔵への転職を決めてからは、きき酒師試験を受けるため、東京などで日本酒の飲み比べにはまる。
20代の頃飲んだ日本酒とはまったく違う日本酒になっていることに感激。
酒蔵に入ってからは、日本酒と料理のマリアージュが食事の味わいを深めることをさらに実感する日々である。
自らの体験を元に十代目蔵元として日本酒の奥深さ、楽しさを広める伝道師であることをライフワークとしている。